太陽光発電は、太陽光パネルに光が当たってはじめて発電ができます。
パネルに光が当たらなければ、発電しません。
パネル上の積雪は、当然、光を遮ります。
したがって、積雪すれば、発電はできなくなります。
積雪は太陽光発電の天敵です。
◆積雪で発電量が低下する
太陽光パネルの全面が積雪で覆われてしまえば、発電量は0になります。
8割がた雪に覆われれば、発電量は2割に落ちます。
したがって、豪雪地帯に太陽光発電を設置するのは効率が悪い、ということになりそうですが、話はそう単純でもないのです。
実際、豪雪地域の発電量は、全国平均と比べれば10%から20%程度は少ないようです。
積雪は、自然現象です。避けることはできません。
そこで、降雪すれば発電効率は下がると言うことを前提にして、その中で最大の発電効率を得るには、どうすればいいかを考える必要があります。
◆雪国で発電効率を上げる対策
太陽光発電を設置する地域が決まれば、そこでの年間日照時間が予測できるようになります。
雪国での発電効率を追求するために、事前に出来る事は、太陽光パネルの設置角度の調整と、パネルメーカーの選定です。
雪国の場合は、地元で実績のある設置業者に相談するのがおすすめです。
また、冬場の効率を考慮することは当然ですが、大事なことは年間を通じての発電量を最大化することです。
既存の家屋に設置する場合、屋根の角度や方向を変えることはできませんので、与えられた条件の中で効率化を追求することになります。
新築なら発電のことを考慮に入れながら、屋根の角度や、家の向きを含めて検討することが可能です。
もちろん、太陽光発電以外の検討要素や制約もありますので、必ずしもベストな条件を実現できるとはかぎりません。
◆過積載で発電効率を上げられるか
過積載とは、パワーコンディショナーの容量よりも大きな容量の太陽光パネルを設置することです。
例えば、パワーコンディショナーが4KWで、太陽光パネルが5KWの場合が過積載です。
実のところ、太陽光パネルの表示容量(5KW)は一番の好条件のもとで、最大限発電した時に5KWということで、現実的な発電量は4KW程度です。
ですからそれに見合う処理力を考えると、パワーコンディショナーは4KWで充分ということになるのです。
長野県のメガソーラーで過積載することで、発電量が予想以上に多かったという事例があります。雪国の冬場では、雪が降らない時でも5KWの太陽光パネルは、せいぜい4KWぐらいしか発電できないからです。
しかし、過積載をした場合、もし晴天の日に、好条件になって太陽光パネルが5KWの最大定格出力に近い値を出した場合にも、残念ながらパワーコンディショナーの容量である4KW分しか電気に変えられません。
こういうケースでは無駄が出てしまいます。しかし、こういう事態は滅多に発生しません。
◆太陽光パネルから落下する雪に注意
雪国で太陽光発電を設置する時には、落雪の対策が必要です。
自宅の敷地が十分に広く、落雪しても、お隣様に迷惑がかからないのであれば、落雪対策はしなくても大丈夫でしょう。しかし、住宅密集地などでは、落雪対策は御近所トラブル防止のために、とても重要です。
住宅密集地の場合、落雪防止のために、雪の滑り止めは必須アイテムです。
雪は重く、しかも、急に落ちてきますので、とても危険です。思わぬ事故を防ぐためにも、落雪防止を行いましょう。
◆太陽光パネルの雪おろしはするべきか
単純に考えるなら、雪かきをすれば、発電が可能になり、経済的に有利と思われます。
しかし、作業の安全性や、太陽光パネルの品質保持の観点から判断すると、、雪おろしは止めた方がいいのです。
斜面で滑りのいいパネル上での作業は非常に危険です。しかも、太陽光パネルの表面を傷つけかねません。
したがって、パネルに積もった雪は、自然に落下するか、溶けて消える時を待つしかないのです。
雪に湯をかけて溶かす装置も考えられなくもないですが、費用対効果を考慮すると、決して得にはなりません。
◆積雪地域での太陽光発電は諦めるべきか
積雪地域での太陽光発電の設置については、1軒1軒家屋の状況も、地域の条件も異なるので、一概には言えません。施工業者とよく相談して決めることをおすすめします。