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農地をソーラーシェアリングで活用しましょう

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現在、農家は高齢化、人手不足、後継者不足で悩んでおり、農作物を作ることができずに遊休地となっている農地があります。
この遊ばせている農地を、有効に活用する方法の1つが、ソーラーシェアリングです。

もし、将来に渡って農地として再び活用する予定がないのであれば、農地法に定められた手続きを踏んで、農地転用をし、そこに太陽光発電設備を作るという方法があります。
しかし、もし将来的に、再び耕作地に戻す可能性があるのであれば、それまでの間だけ、暫定的に太陽光発電設備を建てて、遊休地を有効に活用することが可能です。
それを可能にする制度が、ソーラーシェアリングと呼ばれるものです。
シェアリングとは、「共有する」「共用する」ということで、具体的には、作物を作りながら、太陽光発電設備で電力も生み出すこと、と言えます。
言い換えるならば、太陽光を農作物と太陽光パネルでシェア(分配)するという意味と考えることも出来るでしょう。

◆ソーラーシェアリングの利点とは

ソーラーシェアリングの利点は、地目としては農地のままでありながら、太陽光発電も出来るところにあります。
農地を、農地法に基づいて転用し、太陽光発電の専用土地にすることはできます。しかし、その場合、農作物を作ることはできなくなります。
農地だった地面を、全面的に太陽光パネルで覆うことになりますから、農作物を栽培しようにも、作物に太陽光エネルギーを与えることはできず、育成できなくなるのです。
ソーラーシェアリング制度を利用すれば、地目は農地のままにしておけて、転用許可申請はしなくて済みます。そして、再び耕作地として利用する時が来れば、また元のように農地として使用することが出来るのです。

◆ソーラーシェアリングの欠点とは

ソーラーシェアリングをする場合、ひとつの農地を、太陽光発電と耕作という二つの目的で同時に使うことになりますので、どうしても太陽光パネルの配置や、栽培する農作物の種類に制限があるということです。
共用からくる制約で、最も効率よい太陽光パネルの設置が出来なくなり、また農作物も何でも栽培できる訳ではなくなってしまいます。

ソーラーシェアリングを選択した場合の収入(売電+農作物販売)が、農地転用をして太陽光発電のみであげた売電価格を上回れば、成功だといえますが、そのためには、栽培する作物の種類は何が適切なのかなど、試行錯誤が必要になるかもしれません。

さらに、ソーラーシェアリングを選択した場合、毎年、農作物の収穫状況を報告する義務がありますし、3年毎に転用許可申請を出し直さなければいけないという不便もあります。

◆太陽光パネルの設置方法

ソーラーシェアリングを実施する場合には、太陽光パネルの設置方法は、農地に支柱を建て、その上に太陽光パネルを設置することになります。
一時的施設ですので、支柱は簡単に撤去可能な構造とする必要があります。
そして、耕地全面を、太陽光パネルで覆う事は出来ません。
あくまでもシェアなのですから、太陽光を、太陽光パネルと、耕作物に分け与えるような設計をする必要があります。
そして、太陽光パネルの設置高さは、地上から2m以上は高くしなければなりません。太陽光パネルの下に、農作業が出来る空間を確保する必要があるからです。

◆農作物は何を選んだらいいか

栽培する作物の選定においては、収入源として、太陽光発電を主とするか、それとも作物の収穫を主とするかによって、選定する作物の種類を決める必要があります。
いずれにしても、トウモロコシのような、育成に多量の太陽光を必要とする作物などは適切な品種にはなりません。
ソーラーシェアリングで、栽培する作物としては、イモ類や稲などがおすすめです。大根やニンジンなどの根菜類も適しています。
しかし、葉物野菜は、太陽光パネルの影が育成に悪影響を及ぼすため、推奨できません。

適切な栽培作物の選定は、理屈よりも、実際にやってみることが確実だとも言えます。試行錯誤しながら、最適な作物を見つけていくことになるでしょう。

◆ソーラーシェアリングは、どんな農家におすすめか

農業収入だけでは将来的に心配な農家や、後継者がおらず、遊休地が解消できない農家などにとって最適な選択肢と言えます。
ソーラーシェアリングは、産業用太陽光発電にあたります。したがって、設置以後、20年間は固定価格買取制度が適用され、安定した価格で売電することができます。

販売価格や収穫量が不安定な農作物の収入だけでは不安だと感じている農家さんも、一度、ソーラーシェアリングを検討してみる価値があるでしょう。

◆設置費用と、設備投資の回収期間

ソーラーシェアリング用の発電施設を設置するには、専用の架台などの費用が余計にかかるため、通常の太陽光発電設備よりも、約5万円/KW程度は高くつきそうです。
具体的には、出力が20KWの設備であれば、20×5万円=100万円ほど高くなってしまいます。
ソーラーシェアリング用の設備総額は20×35=700万円で、通常の設備総額は600万円ですから、約17%割高となります。
予想される売電収入は、31円×1100KWh/KW年間×20KW×20年=1364万円で、一年あたりの収入は68.2万円です。
したがって、設備投資の回収に必要な年月は、700万円÷68.2万円=10.26年となります。
つまり、約10年で投資額は回収できて、残り10年間は利益が出る計算です。