なにごとにつけ、物事には長所と短所があるものです。
発電方法もまた然りです。
太陽光発電にも、長所と短所があります。
しかし太陽光発電は、他の発電方式と比較しても、圧倒的に長所が多く、短所が少ない発電方式だと言えます。
◆太陽光発電の長所は
太陽光発電は、太陽がなければ成り立たちません。
逆に言えば、太陽さえあれば、場所を問わずに、発電所がつくれるということです。砂漠の中でも、海の上でも、宇宙空間でも、発電所が出来るのです。
ではまず、その長所から順に説明しましょう。
長所には、大きく、以下の5点があげられます。
1.資源が無尽蔵、かつ無料
太陽光資源は無尽蔵です。
45億年使えます。しかも無料です。
燃料がタダで、いくらでも、永久に利用できるということは非常に魅力的な、大きな長所です。
化石燃料(石油石炭天然ガスなど)も、原子力も、燃料調達には費用が掛かります。
それに対して、太陽光をはじめとする自然エネルギー(風力、地熱、潮汐など)は、無尽蔵でしかも無料です。
太陽光発電の発電コストは、設備投資と土地代ぐらいで、ランニングコストも ほぼメンテナンス費用だけで済むのです。
2.CO2が発生しない
地球温暖化の元凶とも言われる二酸化炭素(CO2)が発生しません。
太陽光発電は、光のエネルギーを物理現象を利用して電気に変える仕組です。
燃料を燃やさないので、CO2を出しません。排ガスもなし。騒音もほとんどなし。非常にクリーンなエネルギーです。
3.発電規模の調節が簡単。ミニ発電からメガ発電まで可能
50から100W規模の小規模発電から、メガソーラー発電まで、パネルの大きさ、枚数を増減するだけで、発電所の規模をいくらでも変えることができます。
なので、家庭用から、巨大発電所に至るまで、そのすべてを同じ仕組で発電できるということが、大きな長所です。
他の発電システムでは、ここまでフレキシブルに対応できません。
4.太陽さえあれば、設置場所を選ばない
世界中のどこであっても、太陽光さえあれば発電所が設置できます。
屋根の上、家の庭、空き地、畑、池の上、河川の土手、人の立ち入らない山奥、海の上、離島、砂漠、それこそ宇宙空間に至るまで、どこでも発電が可能です。
他の発電方法では、設置場所は限られます。
5.システムがシンプルで、故障が少なく、メンテナンスが容易
太陽光発電システムは、単純な機器をつなぐだけで、システムが構築されています。
具体的には、太陽光パネル、接続箱、パワーコンディショナー、ほとんどこれだけです。
このなかで、太陽光パネルは精密機器ですが、その他の機器は単純な仕組みです。
しかも、モーターなどの回転体がなく、燃料を使用せず、機器に大きな負荷をかけずに発電が出来るので、機器の故障が起こりにくいのです。
シンプルな仕組みであるために、故障が起こらないうえに、メンテナンスが他の発電システムに比べて非常に容易な点も大きな長所です。
◆太陽光発電の短所は
太陽光発電の短所としては、以下に挙げる2つがあります。
太陽光発電は、太陽に依存するシステムなので、悪天候時や、夜間は、発電量が低下したり、発電不能になったりします。
また、現在は発電コストが高いという短所ですが、これは長期的に見れば改善できる可能性があります。 以下、詳しくみていきましょう。
1.悪天候で効率が落ち、夜間は発電しない
日が照れば発電できる反面、日照がなければ発電はできません。
曇天、雨天では効率が落ち、夜間はゼロになります。 これは、太陽光の基本的な特徴であり、解消することはできないものです。
2.今現在は、発電コストが水力やLNG火力に比べて割高
太陽光発電の発電コストは、太陽光パネルのコストに直結しています。
しかし、パネルに関する技術開発は、今もなお盛んに行われており、今後の研究の進展と、設置件数の増加による単価の低下を考えると、発電コストは、¥10円/KWhに下がると予測されています。
現に、アメリカでは太陽光の発電コストは、既に¥7円/KWhまで下がっていると言われています。したがって、この短所は、時間の経過とともに長所に変わる可能性さえあるのです。