太陽光発電の肝は、何といっても、直接光を受けて集める太陽光パネルです。
この太陽光パネルが汚れることは、意外と知られていないかもしれません。
太陽光パネルは戸外に設置します。当然、屋外の環境に影響されますね。
空気中には、太陽光パネルに付着して汚れになる、さまざまな物があります。
例えば、空気中のチリである、黄砂や、花粉、ほこりなど、それに、鳥のフンや、落ち葉などです。
太陽光パネルの表面に、これらが付着すると、光がセルに届く効率が下がり、発電量が減ります。
太陽の光を遮るゴミや汚れは太陽光発電の宿敵。出来れば除去したいですよね。
以下では、その対策の具体法について記します。
◆太陽光パネルの表面の防止方法
太陽光パネルの表面は、なめらかなガラスで出来ています。
なので、一見、汚れが付着するようには見えません。
また、雨が降れば汚れは自然と落ちそうです。
しかし、そうではないのです。
たとえば、鳥の糞は、こびりついて簡単には落ちません。
地域によって、量に大きな差があるのは、粉じん、黄砂、火山灰などです。
西日本の中国大陸に近い地域では、黄砂の被害が大きく、太陽光パネルの表面にも黄砂は付着し、発電効率が落ちる原因となります。
活火山のある地域(例えば鹿児島県の桜島)では火山灰の影響が大きく、工業地域なら粉じんの影響があります。
これらの汚れによる発電効率の低下率は、おおよそ5%程度だと言われています。
しかし、5%程度といえども、バカにはできません。
◆そもそも、太陽光パネルは必ず汚れるもの
太陽光パネルを屋内や倉庫内に大事に仕舞っておけば、汚れは付着しませんが、それでは発電できません。
野外に出してはじめて発電ができます。当たり前ですね。
野外で使用する以上、汚れが付着するのは当然。
太陽光パネルは、汚れることが当たり前。
ですから、汚れることを大前提として、対策を考えましょう。
◆具体的な対策
まず、太陽光パネルは必ず汚れるのですから、あらかじめ定期清掃をメンテナンス計画に入れておくことが考えられます。
ただし清掃には、費用が掛かります。ですから、 費用対効果を考慮することが必要です。
むやみに掃除をしても、お金ばかり掛かってしまい、せっかく売電したのに利益が出ないという結果になります。
掃除に関するもう一つの大事な注意点は、太陽光パネルに傷を付けないということ。間違った清掃をして傷つけると、表面が凸凹になってしまい、最初よりも汚れが付着しやすく、しかも落ちにくくなってしまいます。
掃除にともなうリスクを考えると、最初から掃除を一切しないという選択肢も考えられます。その場合、発電量の予測に、最初から汚れによる性能低下分5%を考慮に入れておくことになります。
発電量を減らししたくないのであれば、太陽光パネルの枚数を最初から5%分増やしておきます。
たとえば、20枚のパネルを設置するなら、20枚の5%は1枚ですので、21枚設置しておけばよいのです。
掃除をして効率低下を防ぐよりも、パネル枚数を増やす方が安上がりとなります。
◆太陽光発電の効率を下げてしまう、様々な要因
太陽光発電の効率を下げてしまう要因として、太陽光発電パネルの汚れをご説明しましたが、他にも効率を下げる要因はあります。
・パワーコンディショナーによる変換時にも、5%程度のロスがあります。
・天候や設置場所によっても、効率は大きく変わってきます。
・太陽光パネルの経年変化で、年間に1%程は効率が落ちます。20年間使えば、20%の性能低下があることになります。
太陽光発電の効率を維持し、最大発電量を得るためには、このように多くの要素が絡み合っています。それらを総合的に判断することが大切です。
◆まとめ
太陽光発電パネルの汚れる原因は様々あります。
中でも、黄砂や、火山灰、粉じんは地域の特性により、差が大きい要素です。
総合的に判断すると、パネルの汚れ以外にも、様々な発電効率を低下させる要因があります。
繰り返しになりますが、パネルの掃除は、効果がある場合にだけ行うように気をつけましょう。
売電による利益を損なう、無駄な掃除のやりすぎに注意です。