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太陽光発電のカタログ値は参考値

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太陽光発電の、カタログ記載の発電量とは、ある一定の条件下で測定した値にすぎません。
なので、カタログに書かれた発電量が、実際の発電量と一致しないのは当然です。

太陽光発電の実際の発電量は、設置場所や、気温、光の強さなどの条件の変化により、常に変動し続けます。
なので、カタログ値はあくまで参考値にすぎず、それよりは、実績値を見ることが大切です。

◆カタログの公称最大出力の測定方法

カタログの公称最大出力は、どうやって測定しているのでしょうか。
メーカーがカタログに記載する発電量は、エアマス、光の質、光の量(強さ)、パネルの温度などの条件を、すべて決められた一定の値にして測定した発電量です。

・エアマスと光の質

エアマスは空気の量(通過する空気の層の厚さ)を指します。
太陽光が垂直に入射したときのエアマスを1.0として、その1.5倍の量の空気を通過してきた光で測定しています。これを光の入射角に直すと、約41度に相当します。日本は赤道直下ではなく、北緯35度あたりにありますから、それが考慮されている訳です。

光は、空気中を通過する際、空気中に含まれる水分や塵によって、特定の波長の光が吸収されます。
太陽光パネルは光の質(含まれる波長の割合)によって発電効率が変わりますから、一定の波長を含む光をあてて測定しています。

・ 光の量(強さ)

光が強ければ発電量は多くなります。弱くなれば発電量は減ります。
カタログ値測定時の光の強さは、1000W/m2を基準としています。
これは、おおよそ夏場の晴天時の光量にあたります。

・太陽光パネルの表面温度は、25度で測定

太陽光パネルの発電量は、パネルの表面温度に反比例します。
温度が上がると、発電量は低下することに注意しましょう。
たとえば、シリコン結晶型の太陽光パネルは、表面温度が1度上がると、発電量は0.4%ほど低下します。
逆に、パネルの温度が下がれば、発電量は増加します。
この測定温度である25度は、日本の春や秋における表面温度に相当します。

◆カタログとは異なる実際の発電量

カタログで発電容量1KWと記載されていれば、それは、上記した一定の条件で測定した時の発電量を指しています。
いま仮に、平均的な日照時間を一日あたり12時間とすると、一年間では12×365日で、4380時間の日照時間があることになります。単純計算で、1KW容量の太陽光発電では、一年間に、1KW×4380h=4380KWhの電力が得られることになります。

ところが、実際に稼働した実績値では、1KW当たり1100KWhとなっています。カタログ上の公称最大出力と比較すると、その25%しか働いていないということになるのです。

春や秋の良好な気候で、日照時間が長く晴天の時など、最高の条件が揃えば、1KW能力の太陽光発電は、1KWの電気を発電します。しかし、そんな好条件はいつも揃うものではありません。雨天や曇天時などは、当然、発電効率は落ちてしまいます。
晴天時の発電量を100%とするならば、雨天や曇天時には、20%から5%の効率に落ちると言われています。

◆発電量に影響する4つの要因

・一番影響するのは日照時間です。
日本一、日照時間が長い県は山梨県(2177時間)。
最も日照時間が短い県は秋田県(1431時間)。
両者には、746時間も日照時間の差があります。

・次に影響が大きいのは、太陽光パネルの表面温度です。
公称最大出力の測定時には25度だった表面温度は、夏の酷暑の日には70度以上に上昇してしまい、発電効率は約20%も低下します。
その反対に、冬場には平均気温が0度以下となって、発電効率は10%以上も高くなります。

・太陽光パネルの設置方向も影響します。
当然ながら、南向きが最も効率がよく、西向きや東向きも可能ではありますが、南向きに比べて不利なのは否めません。
もちろんのこと、北向きは最悪です。

・設置角度も影響します。
太陽光をパネルに対して、できるだけ垂直に近く入射させるのが望ましいのですが、入射角度は、時刻により、季節により、どんどん変化します。なので、設置する場合には、平均すると一番効率のいい角度を取るように設置します。

◆まとめ

太陽光発電は、日照量や、設置場所など、様々な条件によって発電効率が変化します。
ということは、成功事例をそっくり真似しても、同じような成功の結果が期待できるとは限らないということです。

個別の、おのおのの条件に合わせて、ふさわしい太陽光パネルの種類を選び、設置角度を決め、メンテナンスすることで、はじめて最大の効率を達成できます。
そのための様々な条件について、導入しようとする本人がひとりで情報を集め、実際のシステムのスペックを判断するのは不可能に近いでしょう。
損な投資にならないよう、専門家の意見や実績を参考にして、業者を選び、施工してもらうべきです。
また、太陽光発電の実際に可能な発電量は、公称最大出力とは異なることを念頭に置いておきましょう。